会計士にはいろいろな種類があります。会計士の中でも監査、会社の経理、財務部門、税務、倒産処理などいろいろな分野の会計士がいます。同じ氷の上を滑ってもアイスホッケー、フィギュアスケート、スピードスケート、カーリングなどがあるのと同じです。氷の上を滑るというのは同じですが、全く行っていること、フィールドが違います。
この税金に関しての税務を行うのがその内の一つの税務会計士、税理士(Tax Accountant)です。
ビジネスを始める、ローンを組む、何か聞きたい、ATOから突然連絡が来た、などタックスリターン以外でも一人は付けておいたほうがいい税務会計士。税務会計士といっても会計資格がなく登録税理士資格しか持っていない事務所もあれば、登録税理士、会計士資格の両方を持ち合わせ、ビジネスや会計業務も扱える事務所もあります。また、税務会計事務所で働いている人が全員登録税理士や会計士の資格を持っているわけではありません。場合によっては代表のみしか資格を持っていなかったり、複数の資格者がいる事務所もあります。
つまり、目の前で話している人が有資格者であるわけではありません。これは普通なのですが、場合によっては資格者がジュニア会計士の仕事にちょっと目を通して終わりというひどいケースもあります。このようなひどいケースを多々見てきました。
税務会計士は町中にたくさんありますが、どのような会計事務所がいいのでしょう。私自身の経験やお客様の声からいくつか私見を並べてみましょう。ここでは、間違いが多いとか、期限を守れない、返信が遅い、音信不通になるなどという当たり前のことは論外ですので除きます。
- 料金の目安が分からない業界ですが、時間制課金の事務所は業務を行う人によっては無駄に時間がかかり、それによって費用が上がってしまいます。よくあるのが、自分が無知なゆえに何かをあー、うーん、と悩んだり、調べているうちに無駄に時間がかかっているケースです。
- 何か尋ねても、うー、えー、と的確な答えが返ってこない事務所。当たり前ですが、士業はコンサルティング能力、情報、知識を商品としています。これができない場合は商品の欠陥となります。
- 何々が当たるキャンペーンや景品など仕事とは関係ないところで、お客様を集めているところも一考です。本業は税務、会計ですので、そんなことまでしないとお客様を集められない会計事務所は疑問の余地があります。
- 登録税理士には必ず国家資格番号があります。これを公表していないところや、ABN(オーストラリアビジネスナンバー)、会社名などを公表していないところは一考です。お金に関することを扱うので、得体のしれない相手は避けるのが普通でしょう。
- 一番まずいのが、タックスリターンの返金が全額!とかほとんど戻ってきます!、というのを売り文句にしている事務所です。当たり前ですが、そんなことはありえず、国が皆に税金を全額、ほとんど返金していたら税システムの意味がなくなります。これはある意味詐欺です。全額返ってくる人は収入の低い一部の場合です。特にワーホリはバックパッカー税の始まった2017年度からは全額戻って来るケースはかなり限定的です。
- 場合によって注意なのは、タックスリターン返金最大保障、とうたっているところです。節税は大切な税務会計士の仕事ですので重要です。しかし、場合によっては違反をして結果を無理やりよく見せようとするケースがあります。
- 会計ソフトを複数扱えない事務所。会計ソフトの専門領域が一つだけだと、決算業務に時間がかかったり、その事務所の意向により無理やり会計ソフトを変更させられたりします。
会計士はよく思われているように一つ決めたらそこだけを使う必要はありません。変更は簡単です。
他の会計士にセカンドオピニオンをもらったり、コンサルティングだけ頼んだりするような柔軟性も会計士自身が認識する必要がある時代になっているでしょう。