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オーストラリアで起業する – ビジネスを始める5ステップ

オーストラリアでビジネス

オーストラリアのものを売りたい、飲食店を開きたい、独立したい、インターネット通信販売を始めたい、などビジネスを始めようとしている方もいると思います。

小さく始める人も大きく始める人も、最初に何から始めていいかも分からない、しかしビジネスのことだけ考えて順守事項について何も理解していないと後で困る。ビジネスを始めるにおいて、勢いで初めてしまうのは収益だけでなく、順守事項においてもいいことではありません。

日本人チームによる公認会計士事務所Ezy Tax Solutionsではナショナリズムビジネス論の元、日本人の方のオーストラリアでのビジネスを奨励、応援しております。

ビジネスの戦略の方はまずは置いておき、最初にどのようにセットアップ、その後どのような順守事項があるのか5つのステップで見てみましょう。

ステップ 1

誰がビジネスをするのか

誰が、当たり前だ私だ、俺だ、と思うかもしれませんが、オーストラリアではビジネスをする主体は

  1. 自分 自分のABNを使う個人事業主
  2. パートナーシップ パートナーと呼ばれる共同でビジネスをする人と作る合名会社のようなもの
  3. トラスト 日本ではなじみの薄い形態、トラストと呼ばれるものをセットアップします
  4. 法人 一般的に会社と呼ばれるもの。オーストラリアは全て株式会社

の4つの形態あります。自分がするのはSole Traderと呼ばれる形態のみとなります。法人(会社)を設立する場合は実はビジネスをするのは自分の動かす自分の会社ということになります。1か4が日本人の方には一般的です。1から4にはそれぞれ利点、欠点があり、そのビジネスの利益、ビジネスをする方のライフプランニング、ビジネスをするメンバーなどのいろいろな要因で適切な形態を考えます。

小さく始める場合は1の自分のABNを使うSole Traderで始め、その後ビジネスが大きくなってきたら3や4を考慮するのがお勧めです。今年の7月から税制改正により1から4の変更が容易になりました。レストランのような比較的最初から大規模なビジネスを始める場合は3と4(特に4)から入るのがお勧めです。

このステップ1が終わらないとどうなるかというと、ビジネスをする人がいないため契約も登録も何もできないことになります。ビジネスを買う、お店を開くといった際にも契約が伴ってきますがそもそもビジネスをする主体がないと契約も何もできません。

ステップ 1.5

ビジネスネームの登録

上記ステップ1で決めた名前と実際のビジネスの名前が異なる場合はビジネスネームの登録が必要です。

例えば個人事業主で始める一発太郎さんがレストランをする場合、レストラン一発太郎、ならビジネスネームの登録は必要ありません。しかし、その他のSushi Bar Ippatsuなどという名前にする場合はビジネスネームの登録が必要となります。つまり自分のABNで行う場合は個人の名前でビジネスをする写真家やコンサルタントなどのようなビジネスでない限りほとんどビジネスネームの登録が必要となります。会社も同様でABC Pty Ltdという会社がAustralia Travel Specialistという旅行代理店をする場合などもABCの名前でビジネスをしていないためビジネスネームの登録が必要となります。

このビジネスネームを取得するのは上記のステップ1の1から4です。つまりステップ1が先に決まっていないとなりません。

ビジネスネームについてはビジネスネームとは何なのかをご覧ください。

ビジネスネームとは何なのか – オーストラリアのビジネスネーム

ステップ 2

ABN、オーストラリアビジネスナンバーを取る

これを申請、取るのは上記の1から4です。つまりステップ1が終わってないと、だれがこのABNを持つかが変わってくるためにステップ1が最初にあります。

ステップ 2.5

ビジネス専用の銀行口座を開く

これは上記3,4以外は義務ではありませんが、ぜひ強くお勧めいたします。これはATO監査などの際に個人のプライベートの入出金とビジネスの入出金がチャンポンであると証明がかなり難しくなり、損をするケースがあるからです。ビジネスのお金はビジネスの銀行口座でというのが理由となります。また、ビジネスに関する現金の移動の管理、モニタリングができなくなります。

ステップ 3

GST登録、人を雇うかどうかなどATOへ各種登録をする

売り上げ予想によりGSTの登録が義務付けられます。GSTは日本で言う消費税です。総売り上げによっては登録が義務ではありません。ただし、このGSTは将来的に商品の値上げをしなくてはならない可能性があり、最初に慎重に考える必要があります。

また、オーストラリア外への販売、輸出などの場合は総売り上げに関わらずGST登録をした方が得です。

また、人を一人でも雇うかどうかでPAYG Withholdingという登録が必要となります。つまり従業員の給料からの税金の天引きです。また、年に一度、PAYGペイメントサマリーという従業員のタックスリターン用の書類を発行します。自分が雇われていた際にビジネスオーナーが自分にしていたことを今度は自分がすることになります。

この両方またはどちらかを登録するとBASというGSTまたは税金の天引きの申告を3か月に1回することになります。つまりやることが増えます。

ステップ 4

ビジネスが始まったら、収入、経費の記録を取る

この記録はビジネスをする上での義務で、収入、経費の詳細を記録していきます。この記録方法はノートに手書き、エクセル、会計ソフトなどで行います。ただ、会計ソフトを使わない場合は自分のみ分かるといった客観性が抜けてしまうことがあるため注意が必要です。特にGSTを登録しているビジネスはATOの監査も厳しくなるため、会計ソフトの利用をお勧めいたします。これは会計ソフトであるため他人が見ても分かる客観性、利便、記帳に割く時間の減少、税務監査時に対応しやすい、などが理由です。代表的なオーストラリアの会計ソフトは

Xero
MYOB
QuickBooks
Wave(無料)
Reckon

Xero(ゼロ)オーストラリアのクラウド会計ソフト – 時間、手間削減、正しい記帳で節税効果

となります。上から順にお勧めです。また、ここでは詳しくは割愛しますが、会計ソフトは税金だけのためだけでなく、ビジネスの健康管理、現状把握をする上でも役立ちますし、インボイスの発行、管理にも使えます。特に人を雇っている場合はなおのこと必要となります。
エクセルを使う際は日別、月別、年別とありますが、GST登録をしているビジネスは最低月別で記録しましょう。また、ビジネス専用銀行口座を開いている場合は銀行の入出金とマッチすることが大切です。これは不透明入出金がないようにするためです。

また、全ての領収書、売上伝票の保管が義務付けられます。

ステップ 5

ステップ4の記録を元に税務順守事項を申告

上記の記録からGST登録をしている、または人を雇っている場合は3か月ごとにBASを申告、年一回タックスリターンを申告します。GST登録をしていない、人も雇っていない場合は年に1回、タックスリターンを申告します。ビジネスの場合利益が出ていようが、いまいが売り上げが1ドルでもあれば申告が義務付けられます。

簡単に言えばこれだけです。

この後は

【ABNとタックスリターン】個人事業主 フリーランス Uberの税金【税理士解説】

これくらい法律上ではすぐにビジネスを始めることが可能です。

これに加え

  • 何かあった際の保険
  • 人を雇う場合はスーパーアニュエーション、最低賃金規定の順守
  • ビジネスによってはそれをすることが許されるためのライセンス
  • レントなど各種契約
  • 従業員を雇う場合は州のワークカバーに加入

を考慮することになります。

上部のメニューのリンク集にも有用なリンクが詰まっています。

日本人ならではの強みをビジネスを通して発揮し、せっかく住むことになったオーストラリアの人を、日本から訪れる人を、同じ日本から来た従業員を幸せにすることを目指してみてはいかがでしょうか。ビジネスは今にでも始められます。特にバブル後の日本人の多くはヨーイドンで走りません。

Ezy Taxはタックスリターンや個人税務のみならず、ビジネスの専門です。上記も承ることができますし、質問にも答えることもできますし、毎年のタックスリターン、決算も行うことが可能です。

ビジネス税務会計

さあ、扉を開くのはあなたです。

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