ABNで働く。ABNって何?
ABNは個人事業主、ビジネスを始める際や、フリーランスとして活動する場合、副業でビジネスをする場合に必要です。ABNは
Australian Business Numberの略でオーストラリアで個人事業主、フリーランスとしてビジネスをする際に取得が義務付けられている番号です。今流行りのUber EatsやUber タクシー、Deliverooなどを行う場合もABNの取得が必要となります。「ABNを取って働いて」と頼まれ、最低賃金逃れのインチキを経験した方もいるかと思います。これはATOも警告している通り、本来正しいABNの使い方ではありません。
また、最近は個人事業主、フリーランスも当然ながら、ブログでの広告収入活動、Uberを行う日本人の増加とともに日本人でもABNを取得する機会が増えています。ABNについては知らずに損する ABNとタックスリターンもご覧ください。
さて、
ABNを使って働くというのは個人事業主、フリーランスとして働く
ということです。
つまり、雇われているのではなく自営業者となります。当然全て自己責任。責任は全部自分持ち、仕事中に怪我しても労災はありません。ちなみに、会社、パートナーシップ、トラストでビジネスを行う際は自分ではなく、会社、パートナーシップ、トラストがABNを取ります。
自分のABNはABN Lookupに公告されていますのでご自分の名前やABNを打ち込んでみてください。
ABNとタックスリターン
ABNでの収入がある場合にタックスリターンはどのように申告すればよいのでしょうか。まず最初に、
ABNを持っている方は使っていようが使っていまいが、未申告、申告遅延に対する罰金となる確率が極めて高くなる
ということは注意事項として頭に入れておく必要があります。
理由は
ABNを持っている時点で国に自営業者としてビジネスをしています、と宣言しているようなもの
だからで、
ビジネスをしているのにタックスリターンを申告しないのはおかしい、という観点です。また、
ABNは持っているだけでタックスリターン申告義務が生じます。
ですので、必要ない方はABNをキャンセルしましょう。
ABN収入は他の雇用(雇われること)収入、銀行利息、投資収入などと一緒に一つのタックスリターンでまとめて申告します。ABNの収入だけ別に申告するわけではありません。
また、ABNで収入を得ている人は雇われている場合と異なり収入に対し税金を引かれていません。その分、タックスリターン時に税金を払うことになります。タックスリターンの返金と追加納税のメカニズムもご覧ください。後で税金が払えなくなるため、稼ぐ金額が37,000ドルほどまでは永住者、学生ビザなどワーホリ以外の方は最大10%ほど(金額により変わる)、ワーホリの方は15%分現金を残しておいてください。
税法上では、2016会計年度より、条件を満たす“ビジネス”となるABN収入はSmall Business Tax Offsetという最大1000ドルの税控除(税金が減ること)がもらえます。また、ABN収入での損失(Loss)は条件を満たさないと他の収入と相殺できず、未来のビジネスの利益とのみ相殺できます。Non-Commercial Loss Ruleといいます。
個人事業主、フリーランス、Uberをやっている人はタックスリターンのために何をすればよいか
まずは、タックスリターンのために
ABNで稼いだ収入およびその経費の記録を会計年度(7月から6月)ごとに作りましょう。
雇われている場合は働いた会社がいくら稼いだかを教えてくれるので楽です。しかし、ABNで収入を得る個人事業主、フリーランスは雇われているわけではないため
いくら稼いだかを自分で記録、管理する必要
があります。
裏を返せば
いくら稼いだという記録はABNで働く方の義務
です。いくら稼いだかを記録するのですが、もちろんABNの収入のためにかかった経費も記録することにより経費計上できます。この記録を取ることを記帳、英語でBookkeepingと呼びます。
そして
売上伝票、経費の領収書などの保管が必要
です。
この記帳方法はビジネスの規模、何をやっているかによるのですが、通常エクセルや会計ソフトを使います。ご年配の方の中にはノートに手書きということもあるのですが、集計が大変なのでやめましょう。
この記帳義務はマッサージ店でABNを使って働いている方、Uberを行っている方、レストランを経営されている方、ビジネスを行っている方に関わらず、そして金額に関わらずオーストラリアの個人事業主としてABNで稼いでいる方には必要です。また、複数の関係ないビジネスを行っている場合は別々に記帳をする必要があります。
経費に関しては経費のブログをご覧ください。収入については銀行の明細から、いくら売り上げた、入金があったかをはじき出すこともできます。また、ビジネスの規模によってはビジネス専用銀行口座を作る必要があります。
ABN収入の記帳方法のガイドライン
マッサージ、IT系、クリーナー、事務系、日本語補習校講師のように雇われているのと何も変わらないのに雇用(雇われること)ではなくABNで働かされる、よくあるABNの不正利用の場合
- 銀行の明細からいくら稼いだかをはじき出すくらいで十分。経費があれば項目、金額、購入日をエクセルやメモに記録しておくくらいで十分。
Uber Eats、Uberタクシー
- Uberアプリからのレポートとエクセルでの経費集計。Uberアプリの設定を英語に変えてレポートを出してください。経費は項目、金額、購入日をエクセルに記録。
- タクシーの方のUberはGST登録が義務付けられているため、GST額も記載した記帳が必要。
参考
GST未登録ビジネス、Buyma(バイマ)
- ビジネス専用銀行口座を作ることが望ましく、その銀行明細をエクセルでダウンロード。エクセルで入出金ベースで収入経費を記帳
- 会計ソフト利用も要検討
GST登録しているビジネス
- 会計ソフト利用
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参考
人を雇うビジネス
- 会計ソフト利用(Single Touch Payrollにより会計ソフトの利用が必要となります)
これらのガイドラインは
- どのような業種か
- ビジネスを行う方がどれくらい賢い人かどうか、分かっているかどうか
- 収入、経費、ビジネスの入出金の数がどれくらいあるか
- どれくらいの額の売上か
などにより変わり、あくまで一般概要です。小規模ビジネスによっては場合によっては、タックスリターン時に紙の領収書をまとめて足すだけでもなんとかなります。必要な方はコンサルティングで個々人に合ったベストな方法をお伝えします。
小規模ビジネスでも会計ソフトは手間の削減ができ便利。Ezy Taxで月たった10ドルほどで会計ソフトの利用が可能です。
記帳を使ってタックスリターン申告へ
この記帳さえあればあとはEzy Taxでタックスリターンを依頼するだけ。Too Easy。逆に言うと、ABNで稼ぐ方は収入の管理義務は自分自身にあるため、この記帳を準備しないとタックスリターン申告できません。
この記帳方法などABN収入、個人事業主の税金についてのアドバイスが必要な方はぜひEzy Taxのコンサルティングをご利用ください。これを入れても多くの会計事務所のタックスリターン代だけより安く済み、長い目で見ると安く済みます。
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