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ワーホリ 税金・タックスリターン最新情報 – バックパッカー税がなくなるかも!?

大してニュースにもならず、まして日本語では情報が出てこない、知らぬが損になってしまう可能性もあり、当ブログで公開しておきます。勝手に引用して、自分のブログに載せないように。このブログから学んでブログを書く場合はEzy Taxを引用すること。

ATO、ワーホリに裁判で負ける

20191030日、Federal(連邦)裁判所にて

ワーホリ税、通称バックパッカー税は違法である

という判決が出ました。

これは租税条約に違反する“差別的行為”である、という理由です。Addy v Commissioner of Taxation [2019] FCA 1768というイギリス人のワーホリがATOに対して訴え、そして連邦裁判所で勝訴した裁判です。

連邦裁判での敗訴後のATOのコメントがこちら

さて、これはワーホリの皆様には大きなニュースですが、このインパクト、今後どうなるのか、を考えてみたいと思います。

税理士でもよく分かっていない輩は、この裁判後 「ワーホリは返金があります!」 みたいなことを簡単に言いますが、実際はこんなに簡単なものではありません。そして、今のところは何も変わっていません。そもそもバックパッカー税があっても返金になる方もいますし、オーストラリア人でも返金どころではなく支払いになる方はたくさんいます。騙されて結局Ezy Taxに連絡してくる方が後を絶ちませんが、誇大広告に騙されないように。あと、税金についてハッタリブログを書く輩がいますが、無駄な仕事が増えるので正しいことを書くように。

ATOは2019年11月29日に最高裁判所に上告(新たなる争い)しました。これによりこの裁判の行方は最高裁で決勝戦が行われることになります。これより上の裁判所はないため、この最高裁判所の判決で最終決定となります。

連邦裁判所が差別だと言い、最高裁判所がひっくり返したらこの国は差別する国と容認しているようなものなのですが。

厳密には廃止ではなく、オーストラリアが租税条約を結んでいるイギリス、アメリカ、ドイツ、フィンランド、チリ、日本、ノルウェー、トルコの8出身のワーホリに

合法でワーホリ税という特別税率を科せない

ということです。まあ、ほぼ廃止ということなのですが。

つまり、韓国や台湾、イタリア、フランスなどの国からのワーホリには今回のニュースはとりあえずは関係ありません。

日本人であることに感謝

です。

最高裁判所でATOの負けが確定すると、居住者のワーホリは通常の居住者の税率で扱う、と述べています。この場合、人によっては1,000ドルから数千ドルの返金が考えられます。

そもそもバックパッカー税とは

バックパッカー税とはワーホリタックスリターン概要 – どんな場合に申告義務があるのかなど過去のブログなどにも多く載っておりますが、

201712月から始まったワーキングホリデービザを持っている方に専用の高い特別税率を適用するという

ワーホリ専用の税金のルール

です。

このワーホリ税、通称バックパッカー税はATO Schedule 15に載っており、

の方が対象となります。

この特別税率は非課税枠(税金のない範囲)もなく、税金はオーストラリア人、永住者、ビジネスビザ、学生ビザなど一時滞在ビザ保持者よりも高い税率です。つまり、

ワーホリだけ、ワーホリというだけで同じ仕事をしてもたくさん税金を取られます(怒)

つまり、このバックパッカー税は

ワーホリビザというだけで他のビザの保持者やオーストラリア人よりも高い税金が科せられるという無茶苦茶な、不公平なルール

です。

レストランで隣で並んで皿洗いをしている同僚が学生ビザ、自分がワーホリビザとすると、全く同じことをしていてもワーキングホリデービザを持っているというだけで税金をたくさん取られるという確かにものすごく不公平な扱いです。。。

選挙権もない、ワーホリ人気もある、オージーなどこっちに住んでいる方は興味もない、といったワーホリをドル箱と言わんばかりの政策です。まあ、うまいところに目を付けたものです。

バックパッカー税と居住区分は別問題

さて、この問題はバックパッカー税15%とタックスリターンの居住者・非居住者の問題をチャンポンに考えてしまう方が多いのですが、この二つは直接関係ありません。多くの人がバックパッカー税と税法居住区分をごちゃごちゃに考えているからややこしいことになります。バックパッカー税と居住者か、非居住者かどうかをごちゃまぜに考える方がいます。この2つは別々に考える必要があります。

そもそもバックパッカー税が廃止にならずとも、上記の低所得者控除、低中所得者控除があるので居住者なら通常700ドルほどの返金があります。

まず、勘違いしやすいポイントを解説してみましょう。

ワーキングホリデービザの税金の構図は以下となります。

ワーホリ税
居住者 非居住者
低所得者控除、低中所得者控除あり 低所得者控除、低中所得者控除なし

 

最近こそ減ってはきてはいますが、

1つの所にずっと住んでいたから居住者で、18,200ドルまで税金がかからない

とか

非居住者だからワーホリ税の15%になる

とか

自分はワーホリだけど居住者だからワーホリ税は関係ない

などと勘違いしている方がまだいるのも事実です。

しかし、上記の表のように、

ワーホリはワーホリ

です。

ワーキングホリデービザの間に稼いだ収入に対しては居住者であろうが、非居住者であろうが、バックパッカー税の対象というわけです。もしくはワーホリからディファクトビザやビジネスビザを申請し、ブリッジングビザで待っている方も対象です。

 

つまり、

非課税枠(税金のない範囲)はなく、1ドルから税金がかかり、課税収入が

1ドルから37,000ドル 15%

37,000ドルから90,000ドルまで 32.5

90,001ドルから180,000ドルまで 37

180,000ドルより上 45%

です。

そして、

ATOはほとんどのワーホリは税法上の非居住者だ

としています。

そして、ATOにほとんど非居住者として強引に処理されます。

これは仕方がない部分があります。多くのワーホリが転々と住む場所を変え、ロングバケーションの旅行者のようにふるまっているからです。ワーキングホリデービザのホリデーの方が比重が多い方達です。詳しくはワーホリ タックスリターン居住者・非居住者問題を。

そして、バックパッカー税がなくなるとするとワーホリの税金はどうなるのか

まず、ワーホリ以外の非居住者の税率は15%どころではなく、非課税枠(税金のない範囲)はなく、87,000ドルまで32.5%もの税金が科されます。

ここまで読んできた方で勘の良い方ならロジックを組み立てられるはずです。

  • バックパッカー税がなくなる
  • ワーホリはほぼ全員、税金上の非居住者である

この二つを組み合わせるとどうなるでしょうか?

そうです、バックパッカー税がなくなるとすると逆にATOは昔のバックパッカー税施行前のように税法上の非居住者としようとする可能性があり、その場合は税率が15%どころではなく32.5%に跳ね上がってしまいます。

つまり、バックパッカー税がなくなるとほとんどのワーホリが非居住者になり、バックパッカー税どころではない32.5%もの税金を取られることになり今の15%より悲惨な結末になる可能性があります。ATOからするとこの判決で、あなた達本当にいいの?くらいに思っているかもしれません。

この判決はあくまでバックパッカー税に関するもので、居住者か、非居住者かどうかという問題ではありません。そして、この裁判に勝ったイギリス人はワーホリの間の生活状況から税金上の居住者であることが認められています。

実際、20191011日のStockton v Commissioner of Taxation [2019] FCA 1679の裁判の判決ではアメリカからのワーホリが非居住者判決を受けました。会計年度内に183日より多くオーストラリアで過ごしてはいるが、オーストラリアで住んでいたのがAirbnbやバックパッカー、短期宿泊施設、住む場所を転々としていることから、“主たる住居はオーストラリアではなく出身のフロリダである“ということになり非居住者であるという判決を受けました。よくあるワーホリの滞在形態です。

つまり、ワーホリが居住者となる保障は何もないわけです。非居住者となるとどうなるか、そうなると上記のように今より悲惨な結末になります。

メディアも、一部の税理士もここをはき違えてえてしまっているのです。

とはいっても一定のワーホリにはタックスリターンで良い結果になるような気が

ただ、現在のワーホリだからというだけで無理やり非居住者として処理をする強引なやり方ではなく、かつてのように 「なぜあなたは居住者なのか」 という監査をした上での変更になるとすると、フェアなのももちろんですが、監査は人員も手間もかかるので、かつてのように居住者として通る方が多くなる可能性が考えられます。

この裁判の結果で、ワーホリはほぼ全員非居住者である、という強引な言い分も通じなくなるでしょう。

逆に居住者となれば最初の方で述べた通り、ほとんどのワーホリはタックスリターンで1,000ドルから数千ドルの返金があります。これは遡っても適用される可能性があるため、もう日本に帰った方、数か月前にタックスリターンを申告した方、など影響を受ける方はものすごい数になります。

今のところ、仮にバックパッカー税が廃止となった場合ATOは異議申し立て(修正申告のような簡単なものではない)した方のみすでに処理したタックスリターンを個々に対応とのことです。

どちらにしても、知っているもの勝ちである部分はあります。

バックパッカー税がなかったころのように一部のワーホリにのみ監査を掛けてくるのか、今のように問答無用でほとんどのワーホリを非居住者に無理やり変更して処理するのか、などいろいろなシナリオが考えられます。

ワーホリがタックスリターンで居住者となるために

今回のワーホリ税の裁判はあくまで原告が居住者であると認められたうえでの判決です。住む場所を転々としてる方は気をつけましょう。もしバックパッカー税がなくなったときに居住者となれるようレントの賃貸証明書、住んでいた証拠などを取っておきましょう。過去の監査では提出が求められました。

半年どこか同じところに住んでいれば、という勘違いをされている方がまだまだいるようですが、そんな簡単なものではありません。

また、他の居住区分の判例からも、同じ町ではなく同じ住居であることが強い要素となっています。あと、考えれば分かりますが、バッパーやファームの宿泊施設は一時的な住居とみなされる可能性が120%です。

同じ家、せめて同じ都市、町に限りなく長く住んでいることが成功への近道となります。

仮にセカンドやサードワーホリのためにファームに行くにしてもファームでの仕事が終わったらまたいたところに戻りましょう。

ワーホリ中に様々な都市を転々としたり、ラウンドをしながら生活している、というのは残念ながら居住者となるのは厳しいと言わざる得ません。

ワーホリがタックスリターンのために今から必ずするべきこと – 数千ドルの違いが出ます

上記の通り、この裁判は税法上の居住者であって始めて意味があります。

ATOに基本的には皆非居住者だ、とされているワーホリが居住者であることを証明する記録を持っておくことが重要となります。

まず、証明できる証拠が必要となり、そのために以下を保管、記録しておきましょう

  1. オーストラリアにいる間に住んだ町、都市、期間の記録
  2. シェアハウス、レントなどの契約書
  3. レントを払っていたという銀行明細での出金証明
  4. ワーホリの間の短期旅行の記録
  5. ワーホリの前に日本にいた時、ワーホリが終わって日本に帰ってから、レント、実家、持ち家、どのような場所に住んでいたか、住むかの証明
  6. ワーホリからワーホリ以外のビザ、ワーホリ以外のビザからワーキングホリデービザを申請した場合はイミグレーションからの申請、取得控え

特に2と3と5は重要です。

現金で払いナアナアと記録を残していない

シェアハウスでもそこにどれくらいの期間住んでいたという証明もない

となっては一定の場所に住んでいても居住者だと言うのは難しくなります。

つまり、

  • できる限り同じ家、せめて同じ都市、町に住む(同じ州ではない)。
  • 通常契約書なんてないシェアハウスでもシェアオーナーに契約書を作ってもらう。
  • 支払いは現金ではなく銀行振込で行う。現金払いの場合は毎回領収書をもらう。
  • 日本を出てワーホリでオーストラリアに来てからは日本に主たる住居はない、特定の帰る場所はないと言い切る。

ことが重要となります。

ただし、税金はあくまで結果です。税金のためにせっかくの限られたワーホリ生活にやりたいことをしないのももったいない話です。仮に税金が多くなってもその中での節税を考えましょう。

 

最高裁判所での裁判はまだ行われておりませんし、いつが判決かも決まっておりません。

何かあれば随時フェイスブックでも公開していきます。ワーホリ世代には人気のないフェイスブックですが、ぜひご覧ください。

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