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価格弾力性とは – 効果的に値上げ、値段設定しよう

 価格弾力性とは

価格弾力性とは元々経済学の用語で

価格を上げる、下げることにより需要が増える、減るの度合を測った数値

です。

値段が上がった時、下がった時のインパクトです。

ちなみに、英語ではPrice Elasticityといいます。

数式で言うと、

需要の増減 ÷ 価格の増減

となります。

この数値が大きいと価格弾力性が大きいといい、小さいと価格弾力性が小さいとなります。

私は馬乗りですが、一応大学も出ました。経済学部です。当時、全く勉強しませんでしたが、ちゃんと勉強しておけばよかったと思います。今になってビジネスとの関連性がある分野があることが見えてきます。

1より大きいということは価格の増減分よりも需要の増減の方が大きいということです。1より小さいということは価格の増減分よりも需要の増減が小さいということです。1より大きいと弾力的、小さいと非弾力的といいます。

例えば、自分の売る商品を10%値上げしたら、欲しがるお客様が20%減った場合は価格弾力性は2ということになります。

横軸に価格、縦軸に需要というグラフを書くと(通常の経済学では縦横が逆ですが、分かりやすくするために縦横を変えています)、右下がりの直線となり、価格弾力性が高いと傾きが急になり、価格弾力性が小さいと傾きが緩やかになります。中学生の時に習う y = ax + b の一次関数です。

分かりやすく言うと、

  • 価格弾力性が小さい = 価格が変動しても、需要の変動は小さい
    生活必需品や他に代わりとなるものが少ない商品、サービス
  • 価格弾力性が大きい = 価格が変動すると、需要の変動も大きい
    贅沢品や代わりになる商品が存在する場合

これは日々の感覚でも感じるかと思います。

高いブランド物や旅行などの贅沢品、売っているお店、頼めるサービスが他にもあるという場合は料金が上がればやめようか、というなることも多いかと思います。これに対し、水やパン、電車、ガソリンなど生活に必要なもの、他の店では売っていない商品、サービスなどは値段が少々上がっても買わざる得ないというケースが多いでしょう。

また、この弾力性はその人の好み、セグメント(層、集団)によっても変わってきます。分かりやすいのはタバコで、私のようなヘビースモーカーにとっては値段が上がっても吸いたいものは吸いたい、たまに吸う程度の方なら値段が上がったらやめようか、となる方もいるでしょう。全く吸わない方には全く関係ないということになります。

価格弾力性はビジネスにも使える考え方

これが何故ビジネスに関わってくるかというと、

  • 価格設定や値下げ、値上げの材料になる
  • スイッチングコスト(お客が他のお店、サービスに変更する場合の手間、費用)に関わる

からです。

そして、これが利益の公式の顧客単価、お客の数につながるからです。

何か新しいメニュー、商品を投入しようとするとき、値上げする時などにこの価格弾力性を考慮することになります。価格弾力性が小さい市場であれば、これまでより高い強気な料金設定ができる可能性があります。

オーストラリアは物価が上がっており、仕入れ値も上がっています。つまり、自分も値上げしないと自分の取り分が減るということです。よって、私はいつも利用させていただく立場ですが、クライアント様には値上げしよう、とアドバイスしています。オーストラリアは全体的に値段、給料が上がっており、まだ日本に比べ価格弾力性が低いからです。

価格弾力性が小さい商品は値上げして、小さい商品は値段据え置きにしたりといったこともできます。日本食レストランなら近くに同じ日本食がなければ、とりあえずオージーが頼む寿司、お酒は価格弾力性が低いと言えるでしょう。値上げしても需要の減りが少ない価格弾力性が小さい商品、サービスは値上げがしやすいということです。

また、値下げセール、キャンペーンを行うときも大して価格弾力性が高くない商品、サービスについて行っても、ただ単に売値が下がるだけで需要を喚起できないため効果的ではない、ということになります。

スイッチングコストも影響します。スイッチングコストとは何か他に変更する場合の手間、費用のことをいいます。何か他に変更する際に手間がかかったり、費用がかかったりする場合は値段が上がっても踏みとどまる可能性が高くなるというわけです。よく携帯電話2年契約なら・・・などありますが、あれも他の携帯電話に変えると違約金がかかったりするため変更しなくなる確率が高くなります。同じ町にウールワースとコールズがあれば片方で高くなった商品があればもう片方で買えば済むだけで、スイッチングコストは低いと言えます。

このように、特に仕入れ値やレントが上がっているオーストラリアでは自分も効果的に値上げしたり、新商品に適正な値段設定をしたり、強気な価格戦略に出たりなど、価格弾力性も1つの考え方として頭に入れておいてはいかがでしょうか。

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