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タックスリターンの仕組み【税理士解説】 – 返金と追加納税のメカニズム

いくつかの所に寄稿もしていますが、もう一度タックスリターンのメカニズムを復習してみましょう。

タックスリターンのリターンは戻る、という意味ではありません。日本語で申告という意味です。タックスリターンはタックス申告、つまり確定申告のことを言います。

タックスリターンでお金が戻ってくるのを期待したはいいが、少額だったり、むしろ払う羽目になってガッカリした方もいるのではないでしょうか。

タックスリターンで返金があるのは過払い分の税金が戻ってくるからです。

雇われている方は毎週の給料から税金を引かれています。税金を引かれた後を手取りといいます。

  1. 収入から引かれた税金額の合計
  2. 自分の課税所得に対する税金額

1が2より多ければ多く払いすぎているので、差額が返金されます。逆に2が1より多ければ、足りないので追加納税となります。これだけです。

1は雇用主がATOの指定天引き率を使って従業員の給料から税金を引いてATOに納めます。
2は総収入から経費を引いたものに税率を掛け、税控除を引いたものです。

では、返金を多くするにはどうすればよいか

上記にあるように返金額は1と2の差です。つまり、1 – 2です。
算数ですが、これを大きくするには1を大きくするか、2を小さくするかです。

1を大きくするには雇用主に高い方の税金天引き率を使うように頼みましょう。しかし、多くの税金を引かれるので、当然毎回の給料の手取りは減ります。

2を少なくするには収入を減らすか経費を増やすかです。収入を減らすのは本末転倒。よく、『たくさん稼ぐと税金を取られるから働くのをやめた方がいいですか?』という質問をいただきますが、1ミリオン稼いで500,000ドル税金を払っても500,000ドル残ります。10,000ドルしか稼がない場合は確かに税金はゼロですが、手元には10,000ドルしか残りません。または銀行利息を申告しない、現金で給料をもらい申告しない、通称キャッシュジョブなどは1を減らすことになる脱税となります。

そこで、経費を増やすことで2が小さくなります。経費についてはこちらをご覧ください。

タックスリターンで返金が多いというのは手取りが増えるか、減るかの違いです。ATOは返金に利息を付けて返してはくれません。しかし、税金天引きを減らして手取りを多くし、銀行に預けておくと利息で増えます。このように考えると気分的に損をした気になるだけで、理論上はタックスリターンでの返金は少ない方がトクなのです。

よく銀行利息が多い方や、ABNでの収入がある方が追加納税になりますが、それは収入があるのに、それに対する税金を引かれていないからです。つまり、もうすでにその税金分をもらっているということです。

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