7月からの2023年度 新規会員受付中

タックスリターン年度末 節税戦略

6月の会計年度末です。

オーストラリアの会計年度は7月から6月までですが、6月中にすることによって節税となる対策を見ていきましょう。

特にビジネス税務に関しては金額が大きいため、会計年度末である6月中の節税戦略はきわめて重要となります。

個人タックスリターン編

個人の税務では多くはありませんが、以下となります。

  1. 当然経費の整理。仕事に関する経費はトータル300ドルを越える経費計上は全ての領収書が必要となります。
  2. 自宅で働いた方はどれくらいの時間数働いたか整理。
  3. 車を通勤以外で使う場合は、年間にどれくらい仕事のために走行したか整理。詳しくはタックスリターンにおける車の費用の経費計上を。
  4. 近いうちに買う予定のある経費となるものを前倒しで購入する。
  5. 募金をする。詳しくは仕事の経費以外のタックスリターン経費計上項目
  6. 6月の給料分からスーパーアニュエーションへの追加積み立てを雇用者に依頼する。
  7. 収入の少ない配偶者のスーパーアニュエーションに積み立てをする。
  8. スーパーアニュエーションに経費計上する旨を伝え、拠出する。
  9. 利益の見込まれる株の売却、賃貸不動産の売却を7月まで先送りする。
  10. 向こう12ヶ月以内の経費を先払いする。
  11. 賃貸不動産の修理、修繕を前倒しで実施。

1の経費となるものの前倒し購入ですが、タックスリターン経費計上で節税対策 – 払う税金を少なくしようにある通り、無理に必要のないものを買うのは意味がありません。近いうちに(仕事で使う)パソコン、携帯電話や車、出張の航空券を買わなくてはという場合に、どうせなら6月中に購入することで、その今会計年度の経費として計上できます。2の募金ですが、指定された慈善団体に募金をすることで今会計年度の経費として経費計上ができます。

現金に余剰がある方はスーパーアニュエーションへの拠出です。スーパーアニュエーションによる節税対策をご覧ください。

今回は3月末からコロナウイルスによる仕事がなかったという方がいます。この場合は仕事がないので仕事に関する経費の計上も難しくなります。そして、JobKeeper Payment、JobSeeker Paymentをもらっている方はこれらも収入となります。詳しくはコロナウイルス補助金の税金とタックスリターンを。

ビジネス編

  1. 経費の整理。会計ソフトに入れていない、ビジネス口座から払っていない経費をまとめる。ちょっと難しいですが会計ソフトにも入力。これは銀行の明細にも載っていないためよく思い出さないと出てきません。例えば、自宅の電気代、インターネット、場合によってレントなど。
  2. 4月から6月の従業員のスーパーアニュエーションを6月中に支払う(本来は7月28日までに支払えば違反ではない)
  3. 近いうちに買う、出費する予定のある経費となるものを前倒しで購入する。
  4. 近いうちに買う予定のある車、パソコンなどの資産を前倒しで購入する。本来は30,000ドルですが、コロナウイルス禍による特別ルールでスモールビジネスの場合150,000ドルまで一括計上できます。
  5. サプライヤーにインボイス(請求書)を発行してもらい、経費を支払い前に計上する。
  6. 売上インボイスの発行を7月まで遅らせる。
  7. Bad Debt、回収不能債権を整理する。
  8. 期末棚卸しを行い必要のない、使えない在庫を処分する。
  9. 向こう12ヶ月以内の経費を先払いする。
  10. 向こう3か月の消耗品の先購入。
  11. がんばった従業員にボーナスを進呈。
  12. 従業員の7月払いの給料を前払い。
  13. お世話になっているクライアント、取引先に経費計上できるものをプレゼント(プレゼントしたからといって全て経費計上はできません、できるものが限られます)。
  14. 会社(カンパニー)でビジネスをしている場合は、給料の計上と支払いタイミングをずらす。
  15. 会社でビジネスをしている場合は、会社からの借入金の見直し。
  16. 会社でビジネスをしている場合は、自分の給料の一部をTravel Allowanceとする。
  17. 会社でビジネスをしている場合は、会社に借りている場合に6月末までに一度返済。
  18. 会社の場合はうまいスポットでの給与調整でうまく会社の一定税率を利用。

この中のほとんどは顧問税理士がしっかりしていれば決算時にうまくやります。

また、今回はJobKeeper PaymentをもらっているビジネスはJobKeeper Paymentも課税収入(税金がかかる収入)となります。

ケーススタディー

例えば、個人事業主(Sole Trader)でビジネスを営む永尾完治さん。通称カンチ。今会計年度の総売上はここまで360,000ドル、経費が203,000ドルで、税金予測額は48,727ドルとなります。結構な額です。

タックスプランニングなし

総売上 $360,000
経費 -$203,000
課税所得 $157,000
税金額 $48,727

そこで永尾さん節税対策として

  • スーパーアニュエーションに10,000ドルを拠出
  • 近い将来の事業拡大のための機材を12,300ドルで購入
  • 月1,000ドルの家賃を半年分、計6,000ドル前払い
  • 賞味期限もないし、3か月分の消耗品900ドルを購入
  • 頑張ってくれたスタッフに1人300ドルのボーナス、計1,200ドル
  • 6月勤務分、7月支払いの給料1,500ドルを前払い

することにしました。

その結果、税金額は36,871ドルとなり、11,856ドルもの節税となります。

タックスプランニングあり

総売上 $360,000
経費 -$203,000
スーパーへの拠出 $10,000
機材の購入 $12,300
家賃の半年前払い $6,000
消耗品の購入 $900
従業員へのボーナス $1,200
給料の前払い $1,500
-$31,900
課税所得 $125,100
税金額 $36,871

額は違えど個人のタックスリターンでも同様です。

必要な書類の保存、確かな節税戦略、ATOの要求する記録の保存などで払う税金が減ることが多々あります。ご相談、コンサルティングも可能ですので、お問い合わせください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です